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執筆者の写真Tetsuya Hirasawa

運動による免疫力の変化について

更新日:2020年3月15日

市川のジムから始まり全国のジムで感染者が出てから、厚生労働省、マスコミ、世間からのジム叩きが加速しました。中には「運動すると免疫力が落ちるから行かない」と言いだす人達も現れました。健康になりに行くジムが果たしてそんなに危ない施設なのでしょうか?今回は、色々と免疫力と運動についての資料を読みあさり、まとめてみました。どちらも有名な大学の研究/実験結果のお話です。


実験1

対象者:ジムの新規入会者中高年女性73名

期間:1年間

実験方法:運動頻度を「低頻度」「中頻度」「高頻度」に分け、唾液免疫成分と※上気道感染症の罹患回数を測定した。

結果

「中頻度」群は唾液免疫成分の有意の増加を示した。

「高頻度」群は唾液免疫成分の濃度は低下し、1年間の上気道感染症の罹患回数がもっとも多かった。

※上気道感染症:普通の風邪の場合、ウイルスが侵入したとしても上気道止まりとなる。重い肺炎の症状が出る人は上気道にとどまらず下気道にもウイルスの侵入を許したという事。




実験2 「脱水と筋損傷が好中球機能に及ぼす影響」

対象者:大学女子サッカー選手18名

期間:8月の練習試合前後

実験方法:血漿中の脱水の程度により軽度脱水群と高度脱水群に分け、試合前後の※1筋逸脱酵素値及び※2好中球機能の変化を比較した。

結果

両群ともに筋逸脱酵素値及び好中球数が有意に増加していた。しかし高度脱水群のみで※3貪食能が低下していた。

※1筋逸脱酵素値:本来筋肉の細胞内で働いている酵素が何らかの理由で血液中に流出したものの値

※2好中球:免疫系を担当している血液中の「白血球」と呼ばれる細胞の中の1つ

※3貪食能:侵入してきた細菌と死んだ細胞を処理できる能力


まとめてみましょう♪♪

実験1での頻度とは強度とも言えそうです。強度はRPE主観的運動強度で大体確認する事ができます。


軽頻度=「楽に感じる」まで

中頻度=「きつい」まで

高頻度=それ以上という事になりますね。

簡単に言えば、「ややきつい」「きつい」くらいで止めておけば免疫力はアップして風邪もひかなくなるという事です。そして注目して欲しいのは、「高頻度」群は唾液免疫成分の濃度は低下するものの、上気道感染症で済んでいて下気道までウイルスが侵入する「肺炎」には至っていないという事です。


実験2は筋損傷により筋逸脱酵素値が上がるのは予想できます。軽度脱水群も高度脱水群も好中球数が有意に増加していますので、適度に水分を摂取していれば貪食能は維持され、免疫力も上がるとも言えます。

実験1と2を簡単にまとめると、そこそこ頑張ってトレーニングしていれば、免疫力はアップし、こまめに水分を取っていれば、多少きついトレーニングしても免疫力は維持かアップするという事になります。「のどが渇いた」と感じたらもう軽い脱水症状だと言われています。とりあえず、水分補給は喉についたウイルスや細菌を押し流すという意味もありますし、どんな強度のトレーニングをするにせよ水分はこまめに取っていた方が無難です。さあジムに行き、免疫力アップしましょう!!

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